2009年8月アーカイブ

長い試合と短い試合

きのう、きょうと台風で千葉マリンの試合が中止になってしまいました。

僕にとっては、恵みの雨で、おかげで実況7連戦が6連戦に減ってくれました。あんまり変わりないけど・・・

でも6連戦でも7連戦でも、きつく感じるかどうかは試合内容がすべて。

先日27日の「ロッテ×ソフトバンク」は罰ゲームかと思うほど、長くて中身のない試合でした。特にシコースキーが投げ始めた辺りから。延長12回引き分けなのに・・・。

普通は延長戦はいい試合が多いはずだけど、この日は決められそうでチャンスに決められないロッテの攻撃のオンパレード。逆にロッテのリリーフ陣もそこまで良くはないのに、ソフトバンクも打線が湿りっぱなし。

成瀬が前回は9回無死一塁で交代させられ、球場はブーイングに包まれたけど、この日は8回の内容から言って、頭から変えておいたほうが賢明だったかな?前回のことが僕も頭にちらついたけど、バレンタイン監督も今日は完投してもらおうかと情が出たのかもしれない。その決断がダラダラの試合になってしまった・・・

逆に実況していてスコアほど長く感じなかった(実際試合時間も3時間6分ではあったが)のが、その前日26日の「横浜×阪神」。スコアは9-3と点は阪神がたくさん取ったけど、5回に8安打集中で一挙9点。ブラゼル1イニング2発で「ブラボーブラボー」翌日の新聞の見出しにうまいと思ってしまった。

横浜よりの放送なのでその点差だと普通は後半の実況の中身が難しいんだけど、6,7回を投げた桑原謙太郎が2回1安打無失点ということで、投球の中身もあったし、今後への期待なども解説と話ができた。

クライマックスは、9回の工藤対金本。この日は工藤投手は直球が最近ではよく走っている感じで、どんどん直球で攻め、最後はまっすぐで空振り三振に仕留めた。点差がこれだけあった中でも40代の真っ向勝負の対決は見ごたえがあった。

若手もベテランもモチベーションを持って戦う姿は、点差に関係なく放送にも活気を与えてくれる。だいぶ最終順位が見えてきたチームもあるけど、消化試合だけはホント勘弁、勘弁。放送に関わる人、みんな思ってます。

3点目を取ってしまった

昨夜はNACK5でJ1「大宮×鹿島」の実況でした。

いつものように解説清雲栄純さんとメイン進行大野勢太郎さんと僕のトリオ。

試合前に大宮の張監督が選手に言ったという「99.9%周りは鹿島が勝つと思っているだろうが、俺らは奇跡を起こそう」という言葉が結果となって現れました。

正直、僕も中継前は、頼むから最後まで実況しやすい試合になってくれと思ってました。実況しやすいとは、たとえ大宮が負けても「善戦」と呼べる類のもの。

しかし本当に失礼いたしました!

開始早々いきなりピンチを迎えボックス内で鹿島のマルキーニョスがヘディングシュートの競り合いで負傷。この場面だけでも大宮かなり苦戦するかもという雰囲気が漂うゴール前のシーンでした。

ところが、そのケガの治療が長引き、マルキーニョスがいない間に右サイドを崩し前半4分内田智也が先制ゴール。前半のその後の41分間も鹿島がボールを持つと二人が必ずさっと奪いに行ったり、確実にセカンドボールを拾うなど大宮ペースの試合運びでした。

2年前は鹿島をずっと担当していたので、鹿島の怖さも知っている僕にとって、後半絶対攻勢をかけてくるという読みどおり、後半は立ち上がりからそれまで上がれていなかった右SB内田篤人を高いに位置に行かせ積極的な攻撃。

ここをどう耐えられるかが大宮勝利への鍵と思っていましたが、攻め込まれつつもよく我慢しました。そして、後半36分逆に追加点を大宮があげました。右サイド石原がクロスを上げて外で待っていたラファエルがヘディングで落とし、中央に走りこんだ土岐田が思い切ってシュート。

実況している時は実は土岐田の動きが全く目に入っていなくて(かなり長い距離を走って中央に入ったと思う)、外にいたラファエルがいい位置だったのでそのままヘディングシュートをぶち込むような気で実況していました。

ところがラファエルがヘディングをした瞬間、まずラファエルがマイナス方向へ落としたのと、同時に黒い影がゴール前のスペースに飛び込んできたのが見えて、ちょっと慌てました。

「タッライン際石原がキープ。ラファエルが外へいる。ラファエルへ送った。ラファエル、ヘディングを送るか、ヘディング落としたところ、フリー!シュート決まった~!土岐田」

実際、同録を聞くとそこまで慌ててはいなかったんだけど、自分としては「ヘディングを送るか」という一言が「えっ!?ゴール前飛び込んできたの!?」という微妙な動揺を表わしていました。それにしてもこのゴールは良い意味で大宮らしくない連携でした。

さてそれ以上に驚いたのがその4分後、後半40分にまたセットプレーからマトがヘディングで3-0としたシーンでした。清雲さんもおっしゃっていた「勝つなら1-0の勝利」というように、追加点を取って勝てるチームではまだないと思っていたので、2点目もオドロキだったのですが、まさか3点とは!!

そのときの僕の実況はもちろん「ナント、ナント、アントラーズから3点目を奪ってしまった大宮アルディージャ!!」それくらいの驚きでした。

1週間のおさらい

1週間ぶりの更新です(汗・・・)

夏はやっぱりスポーツイベント満載!ってことで、
普段やっているプロ野球、Jリーグ以外のスポーツ(高校野球、バスケなど)の準備に追われ、
なかなかしゃべった試合を振り返っている暇がありませんでした。

先週、札幌で「日本ハム×西武」を実況したあとは、
その足で、札幌→羽田→福岡→長崎に飛び、しばし長崎の離島で夏休みを楽しんでいました。
あいにくデジカメを忘れたため写真はないですが・・・

20日に福岡から戻り、そのまま千葉マリンで「ロッテ×オリックス」の実況。成瀬の完投はまたお預け。9回無死一塁でシコースキーを投入した時のマリーンズファンのブーイングには驚きつつも納得。

翌日はテレ玉で「西武×ロッテ」の実況。とんでもない内容の試合に、8月勝率の低さ1,2位を争う両チームの試合と実感。札幌で帆足に話を聞いておいたが、あっさりKO。どうしたんだろうという内容。逆にロッテのリリーフ陣は点差があっても、やっぱりピシッといかない。

22日の「中日×横浜」の実況は、どうしたんだドラゴンズ!というくらい点が入らない。そんな中、ブランコの1発とベンちゃんの同点タイムリーで、完全ドラゴンズ優位。横浜はまた山口打たれたよと思いつつ実況していると、なんと岩瀬が決勝点を与える結末。思わぬ形で、高崎のプロ初セーブを実況することに。

そして昨日はJ2「湘南×仙台」の昇格ライバル直接対決。第3クール初戦からハードな対戦でした。もちろん内容はがちがちの中、ミスから仙台が失点、逆に湘南も隙を見せた時間帯に簡単に失点。ただ阿部先制ゴール、中原同点ゴールという先月の対戦時の流れそのままに、あとは中原がまた決めるかも!?というドラマを頭に描いたが、1-1引き分けで終了。首位C大阪には肉薄も、甲府がまたくっついてくるというJ2はさらなる大混戦に。来月アタマの「東京V×仙台」の中継が楽しみだ。

それにしてもきのうの平塚競技場は、ベルマーレの緑と青、仙台の黄色があいまって、「ひまわり」のような見栄えのスタンドでした。こういう雰囲気はいいよねぇ。

応援に感動

すずしい札幌に昨日から来てます。

もちろん仕事です。

久々の札幌ドーム。お客さんの雰囲気は、関東や九州で感じるものとは全く違います。

きのうはダルビッシュ、今日は藤井がそれぞれピンチを迎えたときに自然発生的に起きる球場全体からの拍手、いいですね~。

たとえばボールカウント0-3になって、そこからストライクを取ったときにする拍手は、よくある光景ですが、ここでは0-3になったときに起きるんです。

日本ハムファンは、おばあちゃんや子供のファンが特に多いそうですが、「息子がんばれ~」「お兄ちゃん、がんばって~」という声が聞こえてきそう。

こんな拍手をされたら、プロといえども高校球児に戻った気分で、「気を引き締めてがんばなんきゃ」という気持ちになると思いますよ。

札幌も、仙台も、スタンドから見ていて、ファンの気持ちがじかに伝わってくる応援は傍から見ていても気持ちいいです。

アジアバスケ

ここ3日間はバスケットのアジア選手権をJSPORTSで実況しました。来年の世界選手権の切符をかけて戦う日本。残念ながら・・・という結果でした。

僕の担当させていただいた3日間は、ベスト8決定戦と呼ばれる2次ラウンド。世界選手権の出場枠は3つですので、まずはベスト8に入らなければ話しにならないのですが、第1戦イラン戦で大敗、きのうの第2戦こそクウェート相手に楽に勝利を収めましたが、今日の第3戦、勝てばベスト8という状況でチャイニーズタイペイに第3Qから走られそのままやられました。

結果的に見れば、第1次ラウンドの第2戦、勝ちゲームだったフィリピン戦を落としたのがあまりに痛かったわけですが、この大会通じてあまりにターンオーバーが多すぎた。

特に自分たちのハーフコートにおけるオフェンスにおいてリズムが悪いせいか、スチールされたり、バイオレーションを犯したりと、速攻以外の攻撃に課題が残ったようにも感じた。

今日のチャイニーズタイペイ戦は、これまでの6試合の中でも気持ちを前に出して、特にプレッシャーをかけるディフェンスから五十嵐を中心とした速攻が決まっていただけに、前半一度は二ケタになった差を6点差に縮めたときはもしやと思ったのだが・・・

90年代の小浜HC時代から、ことあるごとに代表の試合には縁のある僕ですが、前回の徳島大会も現地で実況させていただき、日本の北京五輪出場権が叶わなくなった後の試合を実況した。あのときも辛い気持ちで実況した覚えがありますが、今回はその時の史上最低ベスト8を下回る9位以下が確定する試合を苦々しい思いで実況することになってしまった。

今大会、より完成度の高さを見せている前回初優勝のイラン、バスケが国技というフィリピンの復活、チャイニーズタイペイもここ10年以上低迷していたが若手も入れつつ復活の兆し、日本だけが後退しているように思えてならない現状を本気で考えなければいけない時期かもしれません。

小久保

僕と同い年なので良くも悪くも注目してみているソフトバンク小久保が今年は見るたびに貫禄を増している。バッターとしての働きについてではない。チームを鼓舞する部分についてだ。

去年の8,9月、ヤフードームで実況した際は、チャンスにあっけない凡退を繰り返し、自分もこの年になると体がきついと思うことも増えてきたので、野球選手といえどももう厳しい時期なのかなぁと勝手に思っていた。すいません・・・

今年は追い込まれたら右打ちなどチーム打撃に徹する面が多いと同時に、キャプテンマークを背負った(実際は胸につけた)責任感がいろんな場面で見られる。

オープン戦でも大場にカツを入れる姿をマリンで見たし、足を痛めていた交流戦の横浜戦でも必死のプレーを見せていた。今年こそは、という気持ちと、自分が引っ張らなければという気持ちが、
放送席からしか見ていない僕にも伝わるのだから、周りの選手たちは相当感じ取っているに違いない。

おととい、大隣が好投をしながら、9回あっさりと3連打され降板することになってしまった大隣に対し、小久保はマウンドに近づき「公開説教」をした。このシーンはもしかしたら今年のハイライトと言ってもいいかもしれない。


テレビモニターにアップになった小久保の表情は、「怒り」そのものだった。ある程度分別のつく年齢になった子供を叱り飛ばす父親のように、信じられないくらいの強い口調で大隣を叱った。大隣への期待が大きいからこその愛の表現ととらえて、大隣目線で実況ではしゃべったが、僕の中では小久保がそこまで気持ちを出して今年は戦っていることに実際は胸を打たれていた。

1点差ならともかく、まだリードが5点差あったし、交代する投手に今わざわざ言わなくてもあとで言えばいいのではという所でもあった。しかしここで言っておかなければ、また同じことをするだろう、と小久保は判断して「言わなければ」と思ったのだろう。

そんな姿はこれまで時折プロの各球団で見られる名目上のキャプテン(僕にはそう見えてきた)とは全く違う、高校野球で見るような本当のキャプテンの姿そのものである。

もちろん、そんなキャプテンシーだけでなく、昨日の試合は、長打の欲しい二死一塁の場面で清水直行から同点2ランなど、狙えばまだまだ本来の長距離砲を十分見せられることを証明した。今年の小久保の姿は高校野球のように見るものの感情を揺さぶってくれる。

勝負はやっばり「気持ち」

横浜は花火大会だそうで・・・

そんな中、日産スタジアムのJリーグ「横浜Fマリノス×京都サンガFC」の中継をスカパーでやってきました。

試合は、横浜Fマリノスが3発の花火を打ち上げ快勝。久々に追加点をとる戦いができ完勝でした。コンディションも考え後半出場となった兵藤、小宮山もゴールを決めるなど、新しい顔ぶれのスタメンともども全員でつかんだ勝利といえました。

一方の京都はアウェイで今季未勝利。今季3度見たけれども、どの試合もひどかったなぁ・・・。アウェイの試合ばかり生で見るからしょうがないのだけど、関東の人には印象がすごく悪いだろうな。起用は、内容が伴わないのに加えて、気迫も感じられず。ボールを奪っても、すぐに失って攻撃にならなかった。(マリノスのプレスも確かに良かったけど、目に余った)

試合後の京都サンガ加藤久監督は開口一番「マリノスが負けられないという危機感を持って戦っていた」。逆に「サンガは川崎F戦の勝利でほっとしたというところがあったのか、意欲が感じられず、コンディションが含め準備がまずかったかな」と語りました。

今日のプレイヤー解説だった大嶽直人さんの至近距離から見た選手の様子のリポートそのままだった。何せ後半開始直後から1点を追いかける京都に前へ行こうと言う気持ちが感じられないと言うんですから、オドロキました。

マリノスはもちろん苦しい順位と勝ち点にいるわけですが、僕の中ではまだそこまでの危機意識は持つほどではないのかなと思っていたのですが、すでに残留争いの佳境に差し掛かっているとでも言うべき気持ちの張りを見せていました。この辺が、ぎりぎりになって慌てる常に下位にいるチームと伝統あるチームの違いなのかなと、試合後の両監督の話しを聞いていて思いました。

俊介×マーくん

今日はマリンで「ロッテ×楽天」の中継 on BS12。久々に「野球」を見たな(実況したな)という感じでした。それくらい息詰まる攻防。

渡辺俊介と田中将大の投げ合い。しかも今季3度目。特にまだ今季1勝の渡辺俊介にとっては、過去2度この投げあいに敗れているだけに相当な意気込みで臨んでいたことだろう。前日の取材時はいつもと変わらずひょうひょうとしていたけど・・・

その渡辺俊介。やはり、というか好事魔多しというか、この日6回に出た初ヒットがなんと!リンデンの1発(先制ソロ本塁打)。追い込んでのシンカーが甘く入ってしまった。

一方、田中将大は、ストレートの切れもよく、というか2回以降ものすごくゆったりとしたフォームからボールを投げ込み、さらに初コンビのキャッチャー中谷がうまい球の配合でロッテに的を絞らせなかった。

そして自分の実況の中ではクライマックスと思っていた7回2死1,2塁、打席里崎の場面。外の切れのあるスライダーで2球空振りのあと、150キロまっすぐアウトロー。これはわずかに外れてボールの判定も、最後もう一度外スライダーで空振り三振。正直、この場面で、1-0という点差ではあるけれど、今日のロッテは終わりだと思った。

しかし8回渡辺俊介はちょっとしたピンチを背負いつつも、表情一つ変えず、しっかり無得点に抑え、ここ数試合のような気持ちが切れることもなかった。これもひとつ勝利に結びついた要因かもしれないが、もちろん、ポイントは8回ウラのバーナムJrの本塁打だ。いや、正確に言えば、田中将大に生まれた心の隙だ。

打たれないだろうと思って投げたワンボールからのスライダー。その前の里崎の時に投げたような切れのあるスライダーではなかった。しかも甘く入り、同点ソロ本塁打。球場の雰囲気は一変。慌てて気持ちを再び入れなおした田中将大だったが、時既に遅し。西岡に二塁打のあと、井口に勝越し打。

ただこの心の隙はしょうがないとも言える。何せ、1-0でも、それまでの内容からまず楽天の勝利を疑わない人がほとんどだっただろうから。もちろん野球をしている本人がそう思ってはダメなのかもしれないが、やっているのも人間だからなぁ。そう思っても不思議はない。

さて、ロッテにとっては、クライマックス進出を本気でもう一度考えるにはまだまだ早いが、きのうまでよりは確実に光はうっすらと差してきた。井口の昨日今日の復調ぶり(内角への意識がなくなってきた)、竹原の好調さ(田中のスライダーを今日もホントよく見極めていた)、バーナムJrの敵の急所を突く打撃(お祭り男誕生!)、渡辺俊介の復活(勝つための投球を手に入れた気がする)など。果たして8月はいかに!?